継続は力なり!司法試験予備試験に必要な「継続力」を科学的な視点で考える(前編)

こんにちは!LegalGate編集部です。

司法試験予備試験は相当数の学習量と正しい方向性を確保しなければ合格が難しいハードな試験。予備校に対する支出や受験料、生活費などを勘案しても苦しい時期を乗り越えなければなりません。

どんな資格試験にも必要な要素ですが、司法試験予備試験はことさら「継続力」が必要です。ただこの「継続力」、人間は身につけるのにとても苦労しますよね。

そこで本記事では、最新科学の情報を参照しながら「継続力」にフォーカスしてみました。

習慣とは行動の積み重ね

  • We first make our habits, then our habits make us(はじめに人が習慣を作り、そして習慣が人を作る)

これは、1650年ごろに活躍したイングランドの劇作家ジョン・ドライデンの格言です。古来より人間の大成に必要不可欠な「継続」は「習慣の形成」のことを指します。

行動科学、認知科学、心理学など「習慣」については古くから様々議論され、現在もたくさんのノウハウ本や研究結果が公開されていますね。情報量が多いイメージもありますが、要点や研究結果は実は以下の定義に集約されているのです。

  • 以前からの繰り返しの精神的経験によって獲得されて固定化した思考、意思、感情(心理学)※1
  • 意識的な思考なしに、これまで学習された状況と行動の関連性に基づき行動が実行されるプロセスの要素(行動科学)※2

※1 参照元:Habit(1903)|The American Journal of Psychology
※2 参照元:健康関連の行動における習慣に関する論文の調査|サーベイ論文

このように、科学的な見地を総合してわかりやすく表現すると「習慣とは行動の積み重ねである」といえます。当たり前の事のように感じるかもしれませんが、行動の積み重ねという点を意識することが「科学的なアプローチ」においてとても大事なのです。

 

「習慣」「継続力」を身につけるための基礎知識

継続性がなく、習慣化がなかなか出来ない自分にうんざりしていませんか?「意志が弱いからだ!」と剛健な先生に怒られていた前時代ならまだしも、今は令和。考え方も移り変わります。結論からお伝えしましょう。自分で決めたことなのに「できない、続かない」のは自身の意志の弱さのせいではありません。

意志を変えることは難しいので、それは続かないのも当然です。少し視点を変えてみてください。「意志を変える」のではなく「意志を行動に変える」としたらいかがですか?

習慣が身につかない理由を分解すると、実は以下の要因しかありません。

  • 行動の「方法」を知らない
  • 行動の「続け方」を知らない

ここでいう「方法」とは司法試験予備試験でいう勉強法です。短答式試験を攻略するためのノウハウや論文式試験の答案の作法などですね。司法試験予備試験は「方法」の難易度が高いので、我々のような個別指導は非常に良いツールと考えられるでしょう。

他方、「続け方」とは行動を積み重ねるための方法です。司法試験予備試験の出題趣旨や範囲を把握することと同じく「そもそも行動を積み重ねる理由」を把握しておかなければ、継続力は身につきません。

行動科学の観点ではABCモデルという考え方があります。

  • Antecedent(先行条件):行動を起こす動機、きっかけ。行動前の環境
  • Behavior(行動):実際の行為、発言やふるまい、途中の無意識下の行動
  • Consequence(結果):行動によって発生した結果、行動した直後の環境の変化

この考え方を日常生活の行動に当てはめてみましょう。

  • Antecedent(先行条件):「蓋然性」という言葉の意味が分からない
  • Behavior(行動):インターネット検索をしてみる
  • Consequence(結果):意味が分かる

日常のあらゆる行動はこのABCモデルに沿って行われており、結果が思うようにいかない場合に次回からその行動を止めるよう脳が働きかけます。上記であれば、検索結果で嘘の意味を教えられた場合、

  • そのサイトを信用せず他のサイトを参照する
  • 検索サービス自体を変える

という行動に出るでしょう。

他にも、事故が多発する道を迂回したり、美容院を変えたり…人間はABCモデルの内容を変えながら絶えず行動しているのです。

習慣の形成はCの結果にメリットがなければ「脳が嫌がる」ことはお分かりになりましたでしょうか。いわゆる学習の習慣化は脳に教え込まないといけないため、習慣化がとても難しく、「意志の弱さ」に起因しているわけではありません。

後編に続く…

いかがでしたでしょうか。

習慣の形成の失敗要因は「意志の弱さ」ではありません。科学的なアプローチをきちんと練り、習慣化を実行していきましょう。

後編では、

  • 具体的な科学的アプローチの方法
  • それでも習慣化が出来ない方の対処方法

を軸に詳しく解説していきます。コーヒーブレイク時にぜひお読みくださいね!

 

LegalGate編集部