こんにちは!リーガルゲートで予備試験・司法試験受験生向けに塾長をしている弁護士の福田尚史です。
最近は、「昔のようないい体を取り返すぞ!」という思いから、体作りに努めており、高タンパク低カロリーの食事と筋トレを継続するようにしています。
コンビニとかに行ってもつい栄養成分表示に目がいってしまい、カロリー、脂質やたんぱく質の量を真剣に見ています。周りにはきっと怪しがられているでしょう笑
さて、今回は、筋トレを続けるコツ!…ではなく、(少し似てはいますが)予備試験を受験するにあたり、モチベーションを維持するコツを具体的にご紹介します。
予備試験は決してサクッと合格できる試験ではなく、試験対策は長丁場に及びます。時にはモチベーションが低下してしまうこともあるでしょう。そんな中で、自分の意思の強さだけに頼ることは危険ですし、失敗する可能性も高いと思います。
重要なのは意思の強さではなく、モチベーションを維持するための「仕組み化」を利用することにあります。今回は、予備試験合格を目指して頑張る全ての方向けに、そのような「仕組み化」を利用してモチベーション維持の方法を5つお伝えしますので、是非ご覧ください。
目次
その1~短期・中期・長期で適切なご褒美を設定する
予備試験受験生がモチベーションを維持する方法その1は、短期・中期・長期で適切なご褒美を設定することです。要は、馬の前に人参をぶら下げる方法ですね。この方法は単純ではありますが、とても大切です。
数年をかけて予備試験合格を目指す方にとって、「気合だけでひたすら頑張る」ことには限界があります。「受かるまでは何があっても勉強しかしない」みたいな方もいたりしますし、それが絶対に悪いとは思いませんが、やはり一定期間勉強を頑張ったご褒美を設定することは、勉強のモチベーションアップにはとても効果的です。
ここで重要なのは、タイトルにある通り、自分にとってのご褒美を短期的・中期的・長期的なものに分類し、適切にそれらのご褒美を用意するということです。
短期的・中期的・長期的の厳密な区別はありませんが、だいたい週単位以下のご褒美を短期的、月単位のご褒美を中期的、数か月~1年単位ご褒美を長期的なものと位置付け、自分にあったご褒美を設定していきましょう。
たとえば、私が受験生の時は、以下のようなご褒美を設定していました。
①短期的ご褒美:1日のノルマを達成したら、次の日の夕食は(ちょっとだけ)いいものを食べる+毎週日曜日は夕方以降はオフにし、ジムに行く(短期的ご褒美)
②中期的ご褒美:1か月に1度、友人と飲み会に行く
③長期的ご褒美:予備試験の論文試験が終わったら、友人と1泊2日の旅行に行く
①については、前者のご褒美は「1日10時間勉強できたら、明日の夕食は牛丼を食べよう」みたいな感じでやってました(牛丼かよ!というつっこみもありそうですが、受験生当時の私は食費に充てられるお金がそんなになかったので、吉野家とかで食べる牛丼は私にとっての立派なごちそうでした)。これにより、毎日の夕食のためにも、今日のノルマについては絶対こなすぞ!と思いながら勉強することができていました。まさに目の前にぶら下げた人参ですね笑
後者のご褒美については、ずっと勉強ばかりしていると体がなまってしまいそうだったので、勉強にあたっての体力をつけるという意味でも、日曜日の夕方以降は勉強をオフにし、ジムにいくようにしていました。
日曜日の夕方以降をオフにすることで、曜日感覚を忘れずに1週間単位で生活することもでき(受験生をやっていると、土日もなく曜日感覚がなくなることもままあると思います。)、また毎週「日曜日が来た!」というウキウキ感も味わえるため、おすすめです。
②については、別に飲み会でなくてもいいのですが、惰性の飲み会は論外として、定期的に友人や家族などに会い、近況報告やたわいもない会話をして過ごすことは有意義だと思い、これを中期的なご褒美にしていました。
③の長期的なご褒美については、予備試験の論文試験が終わると少し余裕ができるため、論文試験が行われた7月中に友人らと海に行ったり、キャンプに行くことにしており、これが個人的にはとても楽しみでした。
以上は私の例ですが、人によっては、①が映画鑑賞になったり、②が恋人との食事の時間になったりと、様々だと思います。
この点については、特に行きたくない飲み会を設定してもご褒美にはなりませんし、毎週毎週遠出して遊びに行くというのも、予備試験受験生としてはふさわしくない面があるように思います。そのため、自分にとってご褒美となるものを、適切なタイミングで設定する、そしてそれ以外については、仕事等のやむを得ない時間を除き、最大限勉強に集中することが大事だと思っています。
その2~勉強をスケジューリングし、習慣化・ルーティーン化する
予備試験受験生がモチベーションを維持する方法その2は、勉強を習慣化、ルーティーン化することです。これは上記その1に負けないくらい、とても重要な仕組み化法の1つです。
その日その日の気分で勉強をしていると、どうしてもダレてしまいます。そこで、勉強計画をしっかりと立て、その勉強計画通りに毎日淡々と勉強する習慣をつけることで、継続的に勉強できる仕組みが出来上がります。というよりも、「勉強しないと気持ち悪くて落ち着かない!」という状態に近いでしょうか。
たとえば、巨人やヤンキースで活躍した松井秀喜選手は、新人時代から何年も毎日毎日素振りを欠かさなかったと言われていますが、きっと、「今日も素振りをやらなきゃ!」みたいな感覚ではなく、どちらかというと「当たり前の日課だから、当たり前のようにやる」といった気持ちで続けていたのではないでしょうか。
生活でいうならば歯磨きを毎日するように、勉強についても毎日ルーティーンとして勉強をする。これがベストな状態です(もちろん、惰性で勉強を続けるという意味ではないのでお間違いなきよう。)。
参考までに、学生時代の私は、ざっくりですが以下のようなスケジュールをほぼ毎日継続していました。
朝:論文対策としての起案
昼:短答試験の過去問を解く
夕方:夜ごはんまでに集中して論文対策としての答案構成
夜:短答、論文対策として予備校本や基本書を使ったインプット学習
その他:電車の中で法律の定義や要件効果、論証等の暗記
このように、たとえば暗記の時間は電車の中でやると決めていたため、電車に乗っているときに居眠りをしたりスマホをいじることはなく、「暗記をするもの」というマインドの下に、当たり前のように暗記の時間に充てていました。
毎日やっているから今日もやる。こういう状態は、仕組み化できるまでは少々大変ですが、1週間、2週間、1か月…と継続していくうちに、必ずできるようになります。
このような仕組み化は、勉強のモチベーション維持という側面もある一方、より重要なのは、「モチベーションに頼らずに勉強する仕組みを作る」という側面かもしれません。
私も、予備試験に合格した年を振り返ってみると、モチベーションの上下等は関係なく、自分の決めたスケジュールに沿って淡々と勉強をこなしている感覚でした。
モチベーションが高い時でも低い時でも、淡々と毎日同じように勉強を繰り返すことで、これを読んでいる受験生の方も、モチベーションに頼らない習慣化の仕組みを利用することができると思います。
その3~勉強場所を変える
予備試験対策にあたり、モチベーションを維持する方法その3は、勉強場所を変えることです。
モチベーションが下がる要因の1つは、実は「勉強の場所に飽きている」という場合も多いと思います。そのため、勉強していて少し飽きたなと感じたら、勉強内容や科目を変えるのと同時に、勉強場所を変えるのはとてもおすすめです。
私も、例えば学生の時には、大要以下のような感じで勉強場所を使い分けていました。
- 大学の図書館(集中して論文対策をするとき用。これも3か所くらいを気分により使い分けていました。)
- 散歩中(短答試験の過去問等)
- 公園(何かぶつぶつ言いながら勉強したい時。周りの目が気になる人はマスクをすればOK!)
- 電車の中(定義や要件効果、論証等の暗記をしたいとき用)
- たまに自宅(あまり自宅ではできないタイプなのでこれはサブでした)
- その他気分でカフェや区営図書館等
社会人の方には、会員制の自習室や会員制図書館のようなところもとてもおすすめです。私も大学卒業後は良く使っていました。
自分なりに勉強しやすい場所を数か所見つけて、気分や勉強内容によって使い分けられれば、モチベーション維持という観点からはかなりgoodだと思います。
その4~勉強仲間を作る
予備試験対策に当たりモチベーションを維持する方法その4は、勉強仲間を作ることです。
周りと比較しながら勉強することは、自分を客観視するという観点からもとても大切です。周りに勉強仲間がいると、「あの人は頑張っているから、私もがんばろう」「自分だけ怠けるわけにはいかない!」といった感じで、やる気を出しやすくなると思います。
社会人の方などで、「周りに予備試験の受験生なんかいないよ(´;ω;`)」という人は、他の資格を勉強している知り合いでもいいですし、ブログやツイッターといったSNS上で一方的に勉強仲間を作るのもおすすめです。SNS上では日々の勉強記録のようなものを記録している方もいて、私も受験生時代には一方的にライバル意識を燃やしていた受験生ブロガーの方とかもいました笑
ネットが発展した今では、受験生のオンラインコミュニティのようなものも多く作られているようです。そういう有益なツールがあれば、積極的に利用すると良いと思います。
また、同じ予備試験受験生でなくても、それこそ個別指導の講師のような、一緒に勉強をしてくれる人をつくることもモチベーション維持の観点からはとても良いと思います。
1人で勉強している方は、オンラインオフライン問わず、勉強仲間を自分のモチベーション維持のために意識してみると良いかもしれません。
その5~合格後にしたいことを具体的に考え、情報収集してみる
予備試験対策に当たりモチベーションを維持する方法その5は、合格後にしたいことを具体的に考え、情報収集することです。
合格後にしたいことというのは、「人権派弁護士の第一人者になる!」というような高尚なものでなくても全然問題なく、むしろ卑近なものの方がモチベーションになりやすい気がします。
たとえば、
- いっぱい稼いで良い家と良い車が欲しい!
- 海外旅行に行きたい!
- 合格してモテたい、合コンをいっぱいしたい!
- 他の資格や英語の勉強をしたい!
といった感じでしょうか。
また、将来の仕事関係では、たとえばこのようなものがあると思います。
- 刑事弁護を専門にした弁護士になりたい!
- 裁判官になりたい!
- なんでもいいからとにかく稼ぎたい!
こういったやりたいことがある場合、実際にそれを実現している合格者をネット等で調べてみるのもいいかもしれません(弁護士だからといってモテないから気をつけろみたいな記事もありますが、無視して自分に都合のいい記事だけを読みましょう笑)。
私も、合格する前から「かっこいい弁護士になっていっぱい稼ぎたい!」という(抽象的ではありますが強い)思いがあり、いろいろな弁護士のタイプをネットで見たり、本を読んだり、予備校が主催している講演会に参加したり等して、モチベーションを高めてきました。
このような目標を持つことは、予備試験突破にあたり大変な事も多く勉強も長期間になる中、自分の救いとなってくれるでしょう。
終わりに
以上、予備試験対策にあたりモチベーションを維持する方法を述べてきましたが、いかがだったでしょうか。自分の工夫次第では、モチベーション維持を仕組み化し、大きく効率を上げることができると思います。何事もそうですが、大切なことは、受動的に受験生活を送るのではなく、自ら積極的に行動し、モチベーションアップのための良い環境を自分で整えることだと個人的には思っています。
リーガルゲートが提供している個別指導も、モチベーションの維持といった観点からは絶大な効果を発揮すると思いますので、興味ある方はぜひお問合せしてみてください。
それでは、今日はこの辺で終わりにします。勉強頑張ってくださいね!
2021年6月某日に、珈琲のおいしい自宅近くの喫茶店にて 福田尚史