【予備試験】予備試験に合格する人の特徴

こんにちは!リーガルゲートで講師をしている弁護士の福田尚史です。

私は夏が好きなので、毎年夏が近づいてくるとワクワクします。この間知り合いの家に遊びに行った時も、(なぜか)大きなスイカを丸ごと頂けて、夏が近づいているなーと嬉しく思っていました。

夏といえば、皆さんはどのようなイメージがあるでしょうか?

夏休み、お祭り、海水浴といったイベントが多くあるのは夏の楽しみですよね!

私の学生時代の夏の記憶といえば、7月にある予備試験の論文試験に向けて毎年必死に勉強していたことがほとんどですが笑

さて、今回は予備試験に合格する人の特徴を紹介していきます。日本最難関の試験の1つである予備試験に合格するためには、少なからず自分を律しながら勉強を継続する必要があります。実際、私の周りの予備試験合格者も、何となく勉強をしていたような人はおらず、ストイックに日々を過ごしていました。

以下で述べるような要素を持っている方は、そのまま勉強を継続することができれば、予備試験に合格できる可能性は高いと思います。また、当てはまらないものがある場合も、当てはまるように努力して変えていくことで、必ず成果は現れます。今当てはまってないからダメなんだと思わず、現状を少しでも良くしたいと思っている方はぜひご覧ください。

ではいきましょう。

素直であり、講師や周りの助言を柔軟に吸収できる人

予備試験に合格する人の特徴の1つ目は、何といってもこれです。予備試験合格者は、何といっても素直で、講師等の助言を柔軟に吸収して自分の血肉にしてやる!という姿勢がとても強い人が多いです。

これは一見当たり前のように聞こえますが、予備試験に挑戦しようとする人は学生時代にいわゆる「エリート」であった人も多く、周りを信じずに我流に走ってしまい失敗することはままあることです。

たとえば、予備試験に再チャレンジする司法試験5振者(ロースクールを卒業して司法試験にチャレンジしたものの、回数制限の5回以内に合格することができなかった人)については、ロースクールや司法試験受験時代の学習内容に固執してしまい、講師や周りの助言を聞かずに我流になってしまったり、聞いているつもりになってしまっている傾向にあるような印象を持っています(あくまでカテゴライズした時の傾向であり、個人によりますが。)。彼らは知識量といった意味では現役の学部生や法科大学院生よりもはるかに有利な立場にいるにもかかわらず、我流になってしまう結果、講師の意見や周りの意見を素直に吸収しながら勉強している現役生に負けてしまうケースが良くあるのです。

実際、統計的には、予備試験の合格率は3振または5振した司法試験経験者よりも現役生の方がずっと高いのが実情です。

逆に、勉強時間の少ない社会人であっても、周りの助言を柔軟に受け入れるタイプの方は、効率的に実力を高めていき、短期間で合格しているケースも少なくありません。私の受講生でも、このような社会人の方は何人もいます。

これはもちろん、前述した司法試験5振者の方であっても当てはまります。過去の失敗は受け入れた上、その経験をバネにしながら、信頼できる講師や合格者の意見を受けいれて素直な姿勢で勉強を継続することにより、予備試験に合格することができる実力をつけることは十分に可能だと感じています。

もちろんある程度情報の取捨選択をする必要はありますが、信じられる講師や合格者などから助言をもらった時には、それを受け入れて柔軟に対応することが必要でしょう。

勉強を習慣化しており、一定のリズムで継続できている人

予備試験に合格する人の特徴2つ目はこれです。これは「【予備試験】勉強のモチベーションを維持するコツ5選」の記事でも紹介しましたが、

予備試験の勉強は長期にわたるため、その日その日の気まぐれで勉強するのでは、合格することは難しいでしょう。長期的(数か月単位)、中期的(1か月程度)、短期的(1週間、1日単位)にスケジュールを組んだうえで、計画的に勉強を継続していくことが求められます。

なお、計画を立てる際には、講師や周りの合格者等、実際に合格した経験を持っている人に意見を求められるようにしておくとなお良いです。「合格できる計画」でなければ意味がないためです。

勉強の時間や勉強の場所についても、絶対に変化させてはいけないというわけではありません(気分によって適度に変えることは有効であることも多いです。)が、「基本的にはこの時間に、この場所でこの内容を勉強する」というリズムをつけると勉強が続けやすと思います。

負けず嫌いであり、自分に厳しい人

予備試験に合格する人の特徴の3つ目はこれです。

予備試験にチャレンジするために勉強をしていると、「この知識を覚えていなかったな。」、「答練であの論点が書けなかったな。」、「今日は勉強が進まなかったな。」等、様々な理由から負け続けの日々だと感じるでしょう(私も毎日そうでした)。

そのような中で、「まあしょうがないか」と甘く考えてしまうのか、「次は絶対にできるようにしてやる!」と悔しい日々の経験をバネに自分に厳しくするのかによって、その後の実力の伸びは大きく変わってきます。

予備試験は、勉強が得意だと自負する人が大勢受けるなかでも数%しか合格できない試験で、難関試験に位置付けられるのは間違いありません。そのような中で、「このままで数%の合格者側に行けるのか、合格者としてふさわしいのか」ということを自問自答しながら、日々の勉強に向き合ってほしいと思います。

予備試験にチャレンジしている方、チャレンジしようと思っている方には、是非自分に厳しく律しながら、高みを目指してほしいと思っています。

暗記などの地味な作業を怠らず、堅実に努力している人

予備試験に合格する人の特徴の4つ目はこれです。私が予備試験に合格するために最も大事なことを聞かれたら、「定義や趣旨の暗記等、地味だけれども必要な勉強をどれほどコツコツ継続できているか」だと答えるかもしれません。予備試験の勉強の時間のうち、大半はこの暗記や復習といった地味な勉強になるでしょう。

予備試験受験生のうち、中上級者(=予備校の基礎講座を終了したレベル。ロースクール生も含む。)に位置する受験生では特に、答練(予備校が作成した論文の問題を解く練習)やロースクールで勉強するようなアカデミックな議論等、「面白い勉強」に逃げる人が出てくる傾向があるように感じます。

前者の答練についてはもちろん効果的であり必要ですが、あくまで勉強の成果を確認するアウトプットの1つとしての位置づけであり、これが勉強の中心になるようなことは基本的にはありません。

また、後者のロースクールでやるような高度な議論については、そもそも予備試験合格のためには必要ありません(司法試験合格にも関係ないと思います。)。勉強のモチベーションアップ等のために効果的なのかもしれないので「絶対やるな」とはいいませんが、そのようなアカデミックなことが合否に影響することはなく、あくまで基本的事項の習熟度が決定的に重要です(私はロースクールには行ったことがありませんが、予備試験司法試験に上位で合格することができましたし、このようなロースクールでやる高度かつアカデミックな勉強が合格に必要だと感じたことは一度もありません。)。

地味だけれども必要な勉強を、日々泥臭くコツコツやることは、予備試験合格にあたり、とても重要だと断言できます。

ゴールから逆算して日々勉強している人

これは上記2.にも関連しますが、予備試験の合格にはゴールからの逆算が必要です。

すなわち、試験当日に合格レベルにもっていくためには、試験の1か月前にはこのレベル、試験の3か月前にはこのレベル、半年前にはこのレベル…といった感じで逆算していき、そこから今やるべき勉強をすることが重要です。人によって勉強の段階が違うため、一人ひとりこの逆算思考の結果は変わってくるのですが、いずれにしろ逆算思考で日々勉強をこなすことが求められるでしょう。

あなたは今、試験日当日のあるべき自分を具体的にイメージできているでしょうか?

試験日1か月前は?その1か月間で何をする?今年中に到達する必要があるレベルと具体的な勉強内容は?

このような逆算的な思考から、意味ある日々の勉強をこなしていきましょう。

メリハリをつけられる人

予備試験に合格する人の特徴その6はこれです。完璧主義の対極となるタイプですね。

予備試験は、短答試験が8科目、論文試験が10科目あり、1科目毎の試験範囲も相当広いです。そして、1科目の中でも、完璧に理解し暗記する必要がある事項もあれば、理解できていればOKな事項もあり、中には見なくてもいいレベルの事項もあります。そのような中、メリハリをつけずにすべてを完璧にしようとするとパンクしますし、重要部分についても中途半端になり、失敗する確率はかなり高くなるでしょう。私の知っている合格者でも、完璧主義のタイプはほとんどいません。

今やっている勉強は、どのくらい重要なのか。短答試験に必要なのか、論文試験に必要なのか。どの程度マスターする必要があるのか。

こういったことを常に意識しながら勉強するようにしましょう。

情報強者である人

7つ目はこれです。ここでいう情報とは、「多くの受験生はどの参考書や基本書を使っている」、「合格者はこういう内容の勉強をしている傾向にある」、「このくらいの答案が合格レベルだ」等様々ですが、要は予備試験に関する情報すべてです。

予備試験も相対評価の試験である以上、自分だけ特殊な勉強をする必要は全くなく、「多くの受験生がやっていること」を認識しておき、自分もそこから基本的にはそれないということがとても大事です。

現役の法学部生やロースクール生は周りに予備試験受験生も多く、情報交換ができる機会も多いでしょう。予備試験合格者のかなりの割合を現役生で占められているという理由は、もちろん勉強量を確保できるという点もありますが、予備試験が情報戦となる中で、彼らが情報強者であるということも大きいと確信しています。

社会人の方等、周りから予備試験に関する情報があまり入っていない環境にある方は、意識的にこういった情報を取り入れる必要があります。合格者のブログを見ることでもいいですし、予備校が主催している企画があればそれに出るのもいいでしょう。また、リーガルゲートがやっている個別指導等も、身近に実際の合格者を置くことで、常に情報を取り入れることができとても有効です。

自分が情報弱者になっていないかということに注意しながら、勉強をしていくと良いでしょう。

周りへの感謝の気持ちを忘れない人

予備試験に合格する人の特徴の最後は、これです。精神論っぽくて恐縮ですが、周りへの感謝の気持ちを持ちながら勉強することはとても大切だと思っています。

私も受験生時代は周りへの感謝の気持ちを常に持っていました。

勉強を教えてくれた予備校の講師の方たち、苦しい時に遊んだり語り合ったりしてリフレッシュさせてくれた友人たち、いつもそばで見守ってくれた両親などは、感謝してもし尽くせないほどです。そのため、「ありがとう」の言葉は良く使うよう意識していました。

個人的な意見ですが、感謝の気持ちは自分を強く、逞しくしてくれると思っています。日々感謝の気持ちを持っていると、大変でも頑張ろうという気持ちになってきますし、恩返ししたいから継続しようと頑張ることもできます。間違っても自分だけが大変な思いをしているとか、自分は特別なんだといった風に思い上がることはないですし、またそうあってはいけないと思っています。

日々感謝の気持ちを持って勉強することで皆様の周りの方も含め、皆が気持ちよく過ごせればなによりです!

おわりに(不合格になりそうなことをしないこと)

予備試験に合格する人の特徴を述べてきましたが、いかがだったでしょうか。この8つについて当てはまる方、また今は当てはまっていなくてもこれから当てはまるよう努力できる方は、予備試験であっても合格できる可能性は十分にあると思います。

合格するための行動は大変なこともあるので、まずは「自分の行動のうち、不合格になりそうなことを排除していく」ことが第一歩であると思います。スマホゲームをする時間を半分にしてみるとか。具体的な行動を変えていきましょう。

今日の記事を踏まえ、「自分もがんばりたいな」と思える方がいれば、是非リーガルゲートにお問合せしてみてください。皆様にとってできる限り最高の個別指導を提供したいと思います。

それでは、勉強頑張ってください!

2021年の夏を待つ6月に、自宅にて 福田尚史