こんにちは!リーガルゲート塾長の福田です。
久しぶりの執筆となった今回は、予備試験・司法試験の合格を本気で目指すなら避けては通れない、勉強時間についてお話ししたいと思います。
全ての受験生に必須のテーマだと思いますので、実体験等もふまえつつ、わかりやすく解説したいと思います。是非最後までご覧ください。
なお、LegalGateチャンネルにて、以下と同じような内容の動画をアップしていますので、文字読むのがつらい、動画の方が良いという方はこちらをご視聴下さい。
目次
はじめに ~結論~
たまに聞かれる質問。それは、「予備試験や司法試験の合格を目指す上で、勉強時間を多く確保することは大事ですか?」というもの。
断言します。大事です。間違いなく。大事すぎるのでもはやこの質問は愚問に近いとすら思っています。
予備試験や司法試験、また他の難関試験突破を目指す上で、最強にして王道の対策法、それが、「勉強時間を可能な限り多く取ること」です。
勉強の範囲がとても広い予備試験・司法試験
予備試験・司法試験は、最難関国家資格ということもあり、勉強する内容がとても広くて多い(+内容も他と比べると難しい)のが特徴です。
司法試験は短答が3科目に論文が8科目。予備試験に至っては、短答が7科目(一般教養を除く)に論文が10科目、そして口述が2科目。
単純な科目数だけでも多いですが、1科目1科目の勉強範囲が非常に広く、さながら太平洋の如し、です。
予断ですが、私は、大学生の時に最初に予備校の講座を利用して民法を学習した際、あまりの試験範囲の広さに、現実逃避したくなって民法を一時放り投げ、論理学を勉強し始めるという奇行をしていました(「間接的に合格に有効でしょ」とかわけのわからない言い訳を当時はつけていましたが、当然、論理学を勉強することと、予備試験・司法試験の合格の間には因果性はほぼないです。)。
そのため、憲法→民法→刑法→…と1科目ずつ回していくだけでもかなり大変ですが、予備試験や司法試験に合格するためには、全範囲の中から、重要部分についてはほぼ完璧に理解し、暗記し、試験現場で問われたら即時に引き出せるように仕上げておく必要があります。
合格に求められるレベルたるや相当に高く、司法試験や予備試験合格者は、さながら乱世に生きる武将のごとく、日々修練を積み重ねています。
このように、広範囲の勉強が必要になることから、予備試験・司法試験界隈では、これらの試験について、「下りのエスカレーターを駆け上がるような試験」と言われることがあります。
すなわち、ちまちまと勉強しているとどんどん忘れていき、逆に実力が下がってしまう可能性があるため、いつまでに受かると決めたら、そこに向けて逆算的に計画を立て、可能な限り一気に勉強時間を投下して下りのエスカレーターを駆け上がる必要があるということです。かなり的を射た表現であると思います。
そしてこれは、学生、社会人、又は専業受験生等、どの属性であっても共通することであると思います。
以上から、いかに勉強時間を多く取ることが必要か、少しは伝わったかと思います。
まあそもそも、国内最難関資格の筆頭である予備試験や司法試験に、たいして時間もかけずにさらっと合格できるはずもないですけどね。資格とはいっても、各々の人生を賭けた挑戦ですので。さながらエベレスト登頂の如し。
必要な勉強時間
上記の通り、予備試験や司法試験においては相当広範囲かつ難易度の高い学習が求められるため、合格に必要な勉強時間も相当なものになると思われます。
統計をとったわけではないですが、何百人と受験生や合格者を見てきた私の体感だと、学習開始から予備試験合格までにだいたい6000時間程度、司法試験合格までにだいたい8000時間程度平均して必要なのではないでしょうか。
あくまで平均なので、もっと少なく済む人もいれば多くかかる人もいます。
ただし、私は予備校かどこかで2000時間~3000時間程度で受かると聞いた気がするのですが、正直そんなことはないです。
確かにこのくらいの勉強時間で受かるごく一部の秀才or天才はいますが、当時の私も含めそうではない大多数を占める、いわゆる普通の人だと、この程度の時間では厳しいと感じています。
ちなみに私自身は、学習開始から予備試験を経て司法試験に合格するまでに、だいたい6000時間程度かかりました。
個別指導を活用していればもっと効率的に勉強してより少ない勉強時間で合格したかもしれませんが、当時1人で勉強していた私にとっては、このくらいは最低でもかける必要があったと感じています。
多い人では、司法試験に合格するまでに10000時間以上かけている人もザラにいる印象です。
10000時間だとすると、1日3時間の勉強時間では、3333日と、9年以上かかってしまう計算ですね。おそろしい…
「週15時間で受かります」は信じない
予備試験や司法試験について、「週15時間で受かります」とか、「勉強時間なんて大事じゃないよ」といった声がたまに聞かれます。
しかし、断言しますが、そんなわけないです。少なくとも天才の部類でない限りは。
私は、こういった甘い言葉を、誰が言っているのかによっても意味合いが異なると思っています。
すなわち、
①予備校が言っている場合→その予備校のセールストーク
②実際の合格者が言っている場合→シンプルに盛っているor天才マウント
③受験生が言っている場合→寝言
このように大別できるかと思います。辛辣ですみませんが。
①については、完全にセールストークです。甘い言葉で基礎講座や論文講座を取ってもらえれば、(その後受講生が挫折したとしても)売上になりますからね。私も当時、予備校の講師に言われた記憶がありますが、あまり真に受けないほうが良いかと思います。
②については、虚栄心的なものから由来すると思います。本当か嘘かそもそもわかりませんが、受験生が混乱するので、タチが悪いと思います。
勉強時間に限らず、SNS界隈では、匿名性を利用して、「答案構成なんかろくにしなくて受かった」だの、「こんなリア充な生活しながら受かった」だの、あることないこと色々な情報が入ってきますが、正直有害なものが多いと思っていますので、受動的にむやみに情報を受けないよう、注意してほしいと思います。
その点、 LegalGateチャンネルでは、予備試験や司法試験合格に重要なノウハウ等を誠実に提供しておりますので、よければぜひ登録してご視聴下さい!
③については、シンプルに「受かってから言ってください。以上」という感想です。
勉強時間こそ至高
個別指導塾LegalGateの塾長として講師活動もしている私は、毎年多くの受験生をそばで見ていますが、最近予備試験と司法試験に合格した、東大法学部→東大ローという華麗な経歴を持つ、とある受講生は、毎日10時間以上、必死になって勉強していました。
それでも、超上位合格したわけでもなく、予備試験の論文試験でいうと、下から数えた方が早いような成績でした。
こんなに優秀な人が死に物狂いになってやっと受かる試験なんだと、改めて痛感したのを今でも覚えています。
こういう超優秀な人でも必死に大量に勉強している中、1日3時間程度で合格する自信が持てるでしょうか?私はその自信は全く持てなかったので、少しでも多くやろうと、毎日死に物狂いで勉強していました。
一時的なものですが、一番多くやっていた頃は週100時間以上勉強していました。
多くの合格者を見てきましたが、勉強時間を軽視して合格した人は1人も知りません。
リーガルゲートの受講生でも、たとえば社会人でも実力がめきめきと伸びている人はみな勉強時間を確保しており、フルタイムで働いている人でも週30時間以上、多い人だと週70時間程度も確保している化け物のような社会人受験生もいます。
きっと彼らは近いうちに必ず合格していくことでしょう。
予備試験・司法試験界隈では、いわゆる受験強者が圧倒的に多いです。大学受験まで勝ち抜き、エリート街道を走ってきた人たちも数多くいるでしょう。
そんな中で、自分はライバルよりも勉強時間を取らず勝てる要素が客観的にあるなら、短時間でも受かるかもしれません。しかし、客観的にみて勝てる要素がそんなにないなら、まずは勉強時間を可能な限り多くとるという、もっとも王道な方法で試験に臨むのがベストであると考えます。
質が大事なのは当たり前
ここまで勉強時間が大事だという話をしてきた中で、「じゃあ勉強の質は大事じゃないのか?」と思った方もいるかもしれないので、言っておきます。
勉強の質は、もちろん大事です。
実力の付き方は、勉強の量×質(×集中力)によって決まります。
キングダムの世界でも、戦に勝つかどうかは、武力×戦略(×士気)によって決まると思いますが、それと全く同じです。つまり、予備試験・司法試験は、さながらキングダムということです(わからない方、すみません。)。
勉強の量も質は、車の両輪。
どちらも大事で、どちらも創意工夫で高めていく必要があります。
もっとも、勉強の質というのは、勉強の量をこなすことであがってくるものだと思います。
もちろん合格者が言っている最大公約数的な方法を取り入れることは大事ですが、それをベースにしつつ、自分にとって最適な勉強方法を探し、日々ブラッシュアップしていくためには、試行錯誤するための勉強量がどうしても必要なのです。
そのため、私としては、勉強時間を多く取ることこそ、勉強の質を上げる最も良い方法であると思っています。
勉強時間を増やす方法
ここまで読んでいただいた方には、勉強時間を多く取ることがいかに大事か、より具体的に伝わったのではないでしょうか。
では実際に勉強時間を増やすには具体的にどうすればよいかについて、最後にお話しして終わりたいと思います。
勉強時間を増やす方法としては、大要、以下の方法が有効です。
①勉強を習慣化する
②イレギュラーなイベントを少なくし、うまく対応できるようにする
③健康でいる
④自分に対して適切なご褒美を設定する
⑤勉強仲間やメンターをつくる
①はもっとも大事だと思います。予備試験・司法試験は、勉強を始めてから合格するまでに、平均したら5年以上はかかるでしょう。人によっては10年近くかかるケースもあります。
長期的に勉強を継続する必要がある中、その日の気分で勉強の内容を決めていたようでは長期に渡って勉強時間を多く取ることは困難です。
そのため、勉強をルーティン化し、徹底的に習慣化することが合格の必須要素と考えます。
なお、個別指導を活用することで、勉強のペースメーカーとできるため、この習慣化に寄与すると思います。リーガルゲートの個別指導は本当におすすめなので、気になる方は以下のお問い合わせフォームより、お気軽に無料面談をお申込み下さい!
②も①に関連しますが、ふらっと飲みや遊びに行く等のイレギュラーなイベントがあると、その前後の時間もとられリズムも崩れる関係で、どうしても勉強時間が少なくなります。
私も受験生時代これには頭を悩ませており、どうしても飲み会等があると前後の時間での勉強効率も下がってしまい、徹夜で飲み明かしたりしようものなら、勉強のリズムが壊滅的に狂ってしまっていました。
こういったイベントを全て遮断しろとは言いませんが、取捨選択し、大事な大事な勉強時間を削るに値するかを検討した上で、どう勉強をリカバーするかも考えつつ、行ってもらえれば良いかと思います。
③も本当に大事で、不健康ではまず受かりません。健康でいることは合格の必須科目と言ってよいでしょう。
そのため、睡眠・食事・運動には最大限配慮しつつ、健康的な生活をすることが、勉強時間を確保することにつながると思います。中でも睡眠は本当に大事で、基本的には睡眠時間を削って勉強することはおすすめできません。予備試験や司法試験の勉強は短距離走ではなくフルマラソンのようなものですから、長い目でみて一番パフォーマンスを発揮できるよう、生活リズムを整える必要があります。
④は、勉強ばかりでは息が詰まってしまうため、自分にとって適切なご褒美を設定し、モチベーションを保つことです。長期・中期・短期の3種類のご褒美を用意すると良いでしょう。たとえば、私の場合、短期としてはジムに行くこと、中期としては友人と飲みに行くこと、長期としては日帰り旅行に行くことをご褒美として設定していました。
⑤は、やはり1人で孤独に勉強をしていると辛いので、周りに勉強仲間やメンターをつけることによって、モチベーション維持につながり、ひいては勉強時間の確保がしやすくなると思います。
手前みそにはなりますが、おすすめはやはりリーガルゲートの個別指導です。メンターとして1人の講師が合格まで徹底的にサポートしつつ、他の受講生との横のつながりもできるので、全ての受験生におすすめできます。
最後に
以上のように、勉強時間を確保することは本当に大事です。
一夜漬けが通用する世界ではありません。フルマラソンに例えましたが、実際は山あり谷ありなので、どちらかというとトライアスロンとかの方がイメージに合っているのかもしれません。つまり、予備試験・司法試験は、さながらトライアスロン。
まあ、私、トライアスロンやったことないのですけど。
話を戻し、予備試験や司法試験に合格に必要なのは、勉強時間をコツコツと積み重ねていくこと。
イチロー氏が「小さいことを重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道だ」という言葉を残したのは有名ですが、私はこの言葉が予備試験・司法試験受験においても全く同じだと感じています。
今日は昨日の自分よりもちょっとだけ頑張る。明日は今日の自分よりもちょっとだけ頑張る。
そうやってコツコツと努力を積み重ねることで、きっと合格に必要な実力をつけることができます。
合格するコツなんてありません。ハリボテで通用する世界ではない。
どれだけ勉強時間を確保して、本気で合格に近づく努力ができたかで、最後に泣くか笑うかが決まってくる、苛酷な世界です。
もっとも、いくら勉強時間を積み重ねても、間違った方向に行くと大変な事になります。
ダルビッシュ氏が「練習は嘘をつかないって言葉があるけど、頭を使って練習しないと普通に嘘つくよ」とつぶやいたのはまさにそう。
野球選手の言葉ばかり引用してすみません。球児だったもので、ついつい。
勉強に困ったら、もしくは困ってはないけどこの先1人だと大変だなと感じたら、ぜひリーガルゲートの講師陣を頼ってみてください。
予備試験・司法試験合格を目指す皆さまにとって最高の個別指導サービスを提供させていただきます。
以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
2024年6月 梅雨の匂いがする東京の自宅書斎にて