独自の学習スタイルからルーティーンを確立した与五沢悟講師。社会人としてフルタイムで働き合格したその秘密についてインタビューしました!
[編集部]
まず、司法試験や予備試験を志したきっかけなどをお聞きしてもよろしいでしょうか。
[与五沢悟講師]
私が働いていた会社は、法務部がないくらいの規模の会社でした。自分は管理職でしたので、今後の組織の発展のために法律の素養を身に着けようと考えました。それで、あ、じゃあ司法試験、挑戦してみようかな、という流れです。
[編集部]
なるほど。ということは何かその強い思いがあって、どうしても法律家として身を立てていくぞ!というワケではなかったと?
[与五沢悟講師]
最初はあくまで会社の将来のためにという動機でした。それに、法学部を卒業したのに法律をきちんと勉強したことがなかったな、などという後悔はあったので、これをきっかけにやってみようかなと。そんな感じです。そして、何とか司法試験に合格できたのですが、その後いろいろありまして、結局、司法修習後にその会社に戻るという選択肢が立ち消えてしまいました。でも、私が勤めていた会社は子どもの教育事業を展開する会社だったこともあり、勉強を進めていくうちに「子どもの成長を法律面からサポートしたい」という気持ちが大きくなり、後にこれがモチベーションとなっていきました。
[編集部]
なるほど笑
司法試験、予備試験の学習量はかなりボリュームは大きいですが、あまり躊躇せず行けましたか?
[与五沢悟講師]
周りに予備試験受験生が全くいなかったためか、予備試験の難しさを全く理解しないまま勉強をスタートしました。こんなに大変なのかと気づいたのはやり始めてからでしたね。とんでもないものに手を出してしまったなとは思いました。
[編集部]
与五沢悟講師は、はじめから社会人として働きながら受験生になりましたが、主に一番苦労したところはどの部分になりますか?
[与五沢悟講師]
一番辛かったのは眠気です。仕事から帰っても仕事の疲れで勉強どころではなかったですね。勉強の内容は難しいですし、何も解決できていない感じがあって、ただやっているだけという感覚が強かったと思います。後に朝型に変えたのですが、朝もやっぱり眠い(笑)睡魔との戦いは最後まで続きました。
それから、多くの社会人受験生の皆さんと共通していると思いますが「孤独」もありますね。とにかく周りに相談できる人がいませんでした。
[編集部]
それはシンプルな孤独感もあるかと思いますが、比較対象がいないという点でも現在地が分からなかったのではないでしょうか。
[与五沢悟講師]
その通りです。比較対象が予備校の模範答案しかないですから、自分の実力との乖離が大きすぎて毎日絶望でした。一人で勉強してて、「こんなレベルの答案を書けるようにならないと合格できないの?無理でしょ!」「合格者はみんなこんな答案書けるの?化け物じゃん!」と思ったのを今でも鮮明に覚えています。現在地は全くわからず、不安な毎日でした。肉体的にも精神的にもハードでした。
[編集部]
ハードであることは間違いないですね…さらに、平日は社会人としてフルタイムで働いていると勉強の時間も限られてきますよね。大体一日の流れはどんな感じでしたか?
[与五沢悟講師]
リズムに乗れてからは大抵決まっていましたね。出勤前に3時間弱の勉強をすることをルーティン化していました。出勤前の勉強が全てです。あとは細切れの時間と家に帰ってからは出来ればやれば良いというスタンスで、結局平日の勉強時間は4時間程度だったと思います。夜はほとんどダメでした。早朝に起きて勉強したのが一番大きかったのかなと思います。
[編集部]
朝の時間を作るということを強い意思でペースを保つのは凄いですね。朝って結構みなさん弱いと思うんですけど…
[与五沢悟講師]
そうですよね。私も最初はもちろんキツかったのですが、習慣化してしまえば眠いは眠いのですがそこまですごいキツいとは思いませんでした。それに、朝は静かで仕事の電話もかかってこないですし、誰にも邪魔されないので一番集中して勉強できました。
[編集部]
「朝勉強をしてその後仕事→帰宅後はできたらやる」というリズムを守ってたワケですね。まさに多忙でそれこそストレス溜まりそうですが(笑)
[与五沢悟講師]
それがそうでもなかったです。勉強のストレスを仕事で、仕事のストレスを勉強で発散してた節はありましたね。お互いが良い気分転換になりました。あと、私はこれくらい忙しい方が余計なことを考えないのでむしろ良かったと思っています。中途半端に時間があると勉強法とか検索し続けて勉強しなかった可能性があります。
[編集部]
お仕事がない休日はどうでしたか?勉強量を増やしたり?
[与五沢悟講師]
休日も基本は平日とほとんど変わらない流れでした。同じ時間に起きて朝3時間程度やって、あとは「気が乗ったらやればいいや!」くらいのスタンスでした。あえて勉強しなきゃというプレッシャーをかけないようにしました。でも、結局休日の勉強時間は6~7時間くらいやっていたと思います。それをコンスタントに続けたという感じです。あまり追い詰めすぎないようにしたのも継続できたポイントかもしれません。もちろん、直前期はもう少しやっていたと思います。
[編集部]
となると週でおおよそ32時間くらいですか。
一般的な受験生に比べたら大分短いと思うんですけれども。
[与五沢悟講師]
そうですね。おおよそ月120時間くらいでした。長時間の勉強は私には向いてなくて、短時間の勉強を演習中心にゴリゴリやるというスタイルを貫きました。全部制限時間を設けて勉強していたので、いつも時間に追われていました。
ただ、私は予備試験合格後、司法試験の2か月前の3月に仕事を辞めて、2か月だけですが専業受験生になりました。
[編集部]
お仕事を辞めるってのは大きな決断ですね!
一時的に専業受験生になったことで変化はありましたか?
[与五沢悟講師]
会社を辞めたら一日中勉強してやるぞと息巻いていたんですが、蓋を開けてみたら全然出来ませんでした。せっかく時間がたっぷりできたのに、なぜか集中できず、予定していた勉強ができずに苛立ち、体調も崩しました。これは仕事を辞めて気づいたのですが、私は時間がない中で必死に勉強するスタイルが一番集中できたんです。よい緊張感の中で仕事と勉強に取り組んでいたため心身共に充実していたのだと思います。結局、最後の司法試験は体調がズタボロの状態で臨むことになり、本当に不安でした。自分に合った勉強スタイルを把握することはとても重要ですね。
[編集部]
ある程度タイムマネジメントを社会人としてきちんとやっていれば、学習面に活きて来るかもしれませんね!そういった意味では「時間の使い方」は社会人に軍配が上がりそうですね。
[与五沢悟講師]
確かにそうですね。言われてみれば仕事と勉強のやり方は共通する部分が多いと思います。仕事も勉強もだらだらは良くないです。普段忙しくお仕事をされている社会人の方は、勉強も仕事と同じ思考でやると効率がよくなるはずです。
[編集部]
先ほど「リズムに乗ってから」と表現されてましたが、リズムを作るまでにした工夫はどのようなものがありますか?
[与五沢悟講師]
工夫というか、様々な方法を試しました。最初は深夜をメインに勉強をしたりしました。ですが、深夜の勉強は続きませんでした。そもそも帰宅時間が遅くて0時くらいで、仕事で疲れて帰ってきて無理やり2時まで勉強するとか最初計画立てていたんですけど結局できなくて。それで眠くなったら寝る方に変えました。
時間の確保以外で言うと、とにかく教材を絞りました。
[編集部]
なるほど!自分を追い詰めない工夫をしていたワケですね。
[与五沢悟講師]
そうですね。意味のない追い詰め方をしても続かないので、という感じでしたね。
[編集部]
ちなみにそのペースでやって、学習を始めてからどのくらいの期間で予備試験に合格されましたか?
[与五沢悟講師]
2018年に勉強を始めたのは覚えていて、2020年に予備試験初挑戦でした。初挑戦までに2年近くかかりました。2020年は短答には合格できたのですが、論文で不合格です。その翌年の2021年に予備試験に最終合格できました。
[編集部]
2021年に予備試験に合格されているので、翌年5月の司法試験最終合格までの学習期間でいうと大体4年半くらいになりますね。
[与五沢悟講師]
そうですね。
[編集部]
2019年に受け控えた理由とかは何かありますか?
[与五沢悟講師]
その当時は勉強のリズムに乗れていなくて、ルーティンが確立していなかったので、この状況じゃ受からないと感じたんだと思います。
初挑戦の2020年は短答には合格できて、論文は1000番台前半でした。
[編集部]
ちなみに初年度の反省点などはどんなところにありましたか?
[与五沢悟講師]
これは分かりやすくて、論文初挑戦時は論文の問題は過去問を中心として30問程度しかやっていませんでした。だから論点は全く網羅できていなかったです。でも、過去問をやり込んでいたので、合格するための土台はしっかりできていたと思います。翌年に向けては、過去問のイメージをしっかり持ちつつ漏れていた論点を詰めていった結果、合格できたという感じですね。
[編集部]
ありがとうございます。次は、与五沢悟講師が受講生に展開している内容をお伺いできればと思います。まず、与五沢悟講師が考える個別指導のメリットはどこにあるかと思いますか。
[与五沢悟講師]
メリットは、本からでは吸収できない合格者の勘所を盗むことができる点だと思います。個別指導は対話を通して合格者のエッセンスを盗むというか、合格者の思考過程を追体験するところが一番大事なのかなと思います。参考答案との違いを指摘するだけでしたら答案添削で足りると思います。
また、自分の書いた文章がきちんと意図した通りに相手に伝わっているかを直接確認できるという点が個別指導の長所だと考えます。
私の個別指導でもこれらを強く意識した内容となっています。
[編集部]
個別指導を「受けた方が良いな」という方や、「受けると最短で合格できるよね」というような方は一定数いらっしゃると思いますか?
[与五沢悟講師]
そもそもインプットが一通り終わったら早いうちに個別指導を受けた方が良いと思います。なるべく早いうちから受けておいて、合格者の思考方法を真似しながら論文の演習を続けてほしいです。個別指導を受けて自習力を高めることが一番大切だと思います。
[編集部]
我流の変な癖がつく前に合格者の癖を身につけるべきと…?
[与五沢悟講師]
そうです。変な癖がついてしまうとなかなか直らない可能性があります。講師から力の抜き方も教わった方がいいと思います。あまり力を入れる必要がないところで時間をかけすぎて遠回りになってしまうともったいないです。
[編集部]
個別指導を受けることによって、そこのバランス感覚を合格の方向に向けるという修正が出来るということですね。
[与五沢悟講師]
本当にその通りだと思います。
[編集部]
なるほど。となると与五沢悟講師の個別指導の大まかな方針というか指導のスタイルとしては今仰ったことを実践するようなものなのでしょうか。
[与五沢悟講師]
はい。個別指導がある程度回数を重ねた時点で、受講生に私が言うことを予想してもらうんです。それがズバリ的中すると、その受講生は、少なくともその問題に関しては合格者と同じレベルになっているわけです。「いつも同じこと言いますよね」なんてことを言われることがありますが、その方はもう既に私の思考過程がわかっているということになります。その段階であれば、少なくとも私くらいのレベルには到達できているわけで、あとは私を超えていってくれるのを待つだけです。
[編集部]
なるほど…!
与五沢悟講師の答案や考え方をインプットしているよね、というのがわかってくるんですね。
[与五沢悟講師]
はい、質問をすると答えるポイントが私に似てきてくれるというか。そこは一つ安心できるポイントにもなります。逆に言うと、言ったことが反映されていない答案の場合もあります。条文大事だと言っているのに条文を指摘していない答案などです。実は単純なことが多いと感じています。
[編集部]
自学自習がメインの試験なので、人によってはどうしてもモチベーションが続かずサボってしまうことも考えられます。ここに関しても、個別指導が一週間に一度なり監視体制を整えることはメリットのひとつですよね。
[与五沢悟講師]
そうですね!受講生の方は、毎週の個別指導をいい意味でプレッシャーに思ってくれているみたいですね。私は受講生との信頼関係ができてきたなと感じたら要求を高めていきます。
[編集部]
今いらっしゃる受講生に展開している受講内容としては、基本的に起案してきてもらってその答案を使って指導するという感じですか?
[与五沢悟講師]
はい。受講生の答案の一文一文を丁寧に読み合わせていくスタイルです。なぜこのような文を書いたのかを受講生に発問をすることで、その理解を確認することができます。そして、現実的にはどう書いていくのがベストなのかを試験現場にいる状況を想定しながら一緒に考えていきます。また、そのような問答を繰り返すうちに、そこから別の論点に派生していくことも多いですね。
[編集部]
それに対して満足に回答をできない方には、適切に説明をしてあげるという感覚なんですか?
[与五沢悟講師]
そうですね。ただ、発問事項は基本的な事項を最優先にしています。大体手元にテキストを用意しておいてもらって、即答してほしい基本事項をその場で確認してもらうことも多いです。予備試験の口述試験の感覚を先に体感してもらっています。
[編集部]
それを通して答案のアウトプットの仕方というのを、毎週トレーニングしていってもらうという感じですかね。やはりそれを続けることによって受講生さんの答案の質は上がっていきますか?
[与五沢悟講師]
アウトプットを強く意識してもらいますので、短期間でかなり伸びているように感じます。半年くらい経つと大きな変化を感じますね。
[編集部]
ありがとうございます!ぜひ多くの方に体感していただきたいですね!
それでは最後に、これから予備試験を目指されたり、個別指導を検討されている方に対してメッセージをお願いします。
[与五沢悟講師]
予備試験、司法試験は確かに難しい試験です。しかし、私たちは受講生の皆様に正しい勉強法をしっかりお伝えしますので、それを愚直に実行していただければ確実に力が付いていきます。過度に恐れ過ぎず挑戦をしていただきたいなと思います。
[編集部]
本日は素晴らしいお話をいただきありがとうございました!
与五沢悟講師(セミプレミアム講師)
◯講師経歴
明治大学法学部法律学科卒業
教育業界で約20年間勤務
司法試験予備試験合格
司法試験合格
弁護士登録
◯講師メッセージ
私は幸いにも、社会人としてフルタイムで働きながら、予備試験に2回目の挑戦で合格し、その翌年には司法試験に一発合格することができました。仕事との両立に苦戦し、疲労からうまく勉強ができなかった経験や、勉強方法に迷いに迷って遠回りをした経験などをたくさん重ねてまいりました。
受講生の皆様には、これらの失敗を回避しつつ、仕事をしながら(あるいは短時間で)効率的に合格レベルに達する手法をお伝えしたいと考えております。社会人受験生をはじめ、効率的な勉強で予備試験・司法試験合格を目指すすべての方を全力でサポートさせていただきます。
私が個別指導の中で特に意識する点は以下の通りです。
①難しいことをいたずらに難しくしすぎず、シンプルに伝えること
⇒法律の泥沼に入らない。試験に合格するために必要な限度で考える。
②短期で合格が狙える最低ラインを示すこと
⇒絶対に外してはいけないポイントを一緒に確認します。
③受講生が取り組みやすい課題を提示すること
⇒勉強計画を具体的に一緒に練ります。
④受講生をほめて伸ばすこと
⇒自分の強み(自分の答案の良いところ)を活かして合格しましょう。
⑤合格を本気で目指すこと
⇒私が今からもう一度受験するという当事者意識をもって取り組みます。
まずは無料相談にてお気軽にご相談ください。どうぞよろしくお願いいたします。