【与五沢悟講師 合格体験記 前編】ルーティン化の軌跡。予備試験・司法試験に合格するまでの道のり


講師の与五沢悟です。社会人受験生としてどのように学習をルーティン化し実行してきたか、その中で感じたことを赤裸々にアウトプットいたしました。前編、後編と少し長い文章にはなりますが、勉強の合間に参考程度に読んでくださると幸いです。

高揚感を覚えた勉強開始時期

2018年6月、司法試験予備試験の勉強をスタート。いきなり司法試験専門の予備校に通うのではなく、まずは予備校が出版している入門レベルの本を読んでみました。挑戦してみたいと思ったらそのまま先に進もうと考えていたからです。

早速、予備校が出版している各種入門レベルの本(各科目2~3冊くらい)を買い、とにかく読み漁りました。通勤時間や帰宅後にも読み進めて、書籍に出てくる条文も積極的に引くようにしていました。とにかく、久しぶりの勉強は新鮮で、この時期はとても楽しく勉強できた記憶があります。

今振り返ると、この勉強は全体像を把握するのにとても良かったと思っています。また、この時期に読んだ入門レベルの内容は、後の論文試験にとってとても役に立つもので、特に重要だったなと感じています。

敵を知ること、それは問題集に取り組むこと

入門書を一通り通読した後、これから立ち向かう敵を知りたいと思いました。つまり問題を見たいと考えたのです。早速、基本的な問題と予備試験の過去問が収録されている薄めの問題集を購入し、同時に予備校が出版している各科目のテキストも購入。

自分なりに大事だと感じた部分には線を引きながら、とにかく全科目1周することをテーマに読み進めていきました。ただ、最初はほとんど理解していなかったと思います。参考答案を理解するのにもとにかく時間がかかりました。

特に予備試験過去問は「こんなレベルの答案は書けるわけがない」という感想しかありませんでしたが、わからないものが出てきたらテキストで調べるということを徹底。薄めの問題集だったこともあり、何とか9月には1周読み終えて、10月からは2周目を読み始める段階に持っていけました。

予備校の講座受講、情報不足、そして混乱へ

そしてこの時期、司法試験専門の予備校を利用します。この時期の予備校の利用としては、問題集に入っていない年度の予備試験論文過去問の講座を受講しました。また、商法と行政法は市販の教材だけでは理解が難しかったため、単科で入門講座を受講しました。

一気に1回だけ聞いて、すぐに問題演習に戻りました。ところがここで問題が発生します。論文問題集の2周目に入ってみたものの、完全にリセット状態になっていました。

何も思いつかないレベルです。仕方がないので過去問は参考答案をとりあえず写経してみました。やたらと時間はかかりましたが、言語学習の類だと割り切って実行していた記憶があります。この時、前回よりかは理解できたように「感じ」ました。

しかし、その後は情報に翻弄されました。
社会人受験生で周りに仲間がいないため、ネットの情報だけが頼りだったのです。

  • 今の問題集だけでは足りないのではないか
  • 旧司の過去問をやるべきか
  • 基礎講座からやり直すべきか

など、とにかく迷いが生じて勉強時間が減少しました。その後12月頃に家庭の事情等で勉強のリズムが狂い始め、2019年の予備試験の受験は見送ることとなりました。

勉強再開。ルーティン化を始める

2019年の5月になり、ようやく家庭の事情が落ち着いたことから勉強を再開しました。勉強の方法論で悩み始めると、キリがなくなり、勉強時間が減少するということを身に染みてわかったため、迷いなく勉強を進めことができる計画を立てました。

「いつ、どの時間にどんな勉強をするのかを決める。」
「仕事と同じで、モチベーションに関係なくやるメニューを決める。」
これが私のとって最も最適であると考えました。

当時勤務していた会社では、仕事が一旦始まると、深夜まで上司や同僚から頻繁に電話がかかってきましたので、帰宅後に落ち着いて勉強することは困難を極めました。

また、仕事後はどうしても頭の中から仕事内容が抜けず、疲労も手伝って、集中力もありません。そこで、帰宅後は、短答をクイズ感覚でやることにし、無理しないことにしました。勉強の中心部分は、出勤前の朝の時間帯に回したのです。

主軸は出勤前の朝の時間に。その具体的な内容

出勤前のおおよそのメニューは、

  1. 予備試験論文過去問1題70分(何も見ないで答案を書く)
  2. 自己添削50分~90分
  3. 基本問題3題×20分

の計3時間〜3時間30分程度を確保しました。早起きすることはもちろん最初は大変でしたが、すぐに慣れました。何より、仕事によって勉強の邪魔をされないことが一番良かったです。

通勤中の電車では出勤前の勉強の復習に充てたり、短答を解いたり、テキストを読むなどに充てました。帰宅後は短答過去問を1日5〜10題程度解きました。平日は約4時間程度勉強していたと思います。

休日も基本的に同じメニューにし、余力があれば、その週の復習に充てたので平均6時間程度だったと思います(直前はもう少し勉強しました)。1か月の勉強時間は平均110〜130時間程度だったと思います。

とにかく、迷って時間を浪費するくらいなら、やることを絞って、徹底しようとしました。各科目薄めの論文問題集1冊、短答過去問集1冊と調べる用のテキストだけを繰り返しました。

前編のまとめ

このように、この年はこのルーティンが確立できたため、勉強に迷いがなくなり、基礎力が付いた実感があります。気づけば、過去問は4回目に突入し、論文問題集、短答過去問集、判例六法はボロボロになり始めました。仕事も自分なりに一生懸命やりました。ただ、勉強時間をなるべく確保したかったため、勉強開始前に比べ、無駄な残業はかなり減りました。ルーティンが確立して、仕事にも良い影響が出たような気がします。

後編へ続く、、、