【司法試験予備試験】論文式試験攻略法(後編)~合格答案の作法(解答の書き方)~

こんにちは!リーガルゲート講師の福田尚史です。先日東京オリンピックが閉会しました。全力を尽くしている選手の方たちからは、本当にたくさんの感動と勇気をもらえましたね。
初出場でメダルを獲得できた選手、途中で敗れてしまった選手、悲願の金メダルを獲得できた選手等、結果は様々でしたが、皆とても格好良かったです。きっと想像もできないくらいの努力を積み重ねてこの東京オリンピックに備えてきたのだと思います。
私も負けずに精一杯生きなくてはと、とても励みになりました。共に頑張りましょうね!

さて、今回は前回からの続きで、予備試験の論文試験攻略法の後編について書かせていただきます(論文試験攻略については今日の記事で完結です!)。
後編である今回は、前編でも少しお伝えしましたが、論文試験の答案を作成するにあたっての「作法」について、詳しくご説明します。

今日の記事も、前編記事と並んで超力作となりました。今回の記事では、予備試験の論文試験に合格するために必要な作法(=合格答案のエッセンス)について、1つずつ紹介していきます。ここに挙げた作法を習得することができれば、予備試験の論文試験(ひいては司法試験の論文試験もですが)にはかなり高い確率で合格できると思います。もちろんこれらの作法を知っているだけでは意味がないですし、抽象度も高いものなので、毎日毎日勉強する中で常に意識するべき「指針」として、受験生の皆様にはぜひ活用してほしいと思っています。

予備試験の論文試験に合格するにはどんな力を付ければいいのか悩んでいる方にとっては、今後の合格を勝ち取るためのエッセンスをふんだんに盛り込んだ記事になっていると自負しております。
私の受験生時代の経験、講師になってからの経験等を全て盛り込んだ記事に仕上げたつもりなので、是非ご覧ください(有料級!)。

それではいきましょう。

合格答案の作法その1~基本的事項の正確な理解、暗記と答案への反映~

作法の1つ目は、基本的事項を正確に理解し、暗記し、答案に反映することです。
要は知識のインプット面ですね。料理する具材がなければ料理の腕がいくらあっても無駄なように、論文試験において合格答案を書きあげるにあたっては、もちろん一定量の知識は必要です。

ただし、マーク式の試験である短答試験と異なり、論文試験においては、「この知識は知っている」程度のレベルでは通用しません。①正確に理解すること、②正確に暗記すること、③正確に答案に反映することの3つをクリアすることが重要であり、どれか1つでも欠けると、答案としての評価はグッと低くなってしまい、結果不合格になってしまいますので、論文試験で問われる定義や条文、論証等の1つ1つについて、上記①②③の各レベルでクリアをしていく必要があります。

そのため、今自分が勉強した事項について、①そもそも理解できているか(=わかったふりをしていないか)、②正しく暗記できているか(悩まずに口に出してすらすらいえるか)、③正しく答案に反映できるか(理解し、暗記した通りのアウトプットができるか)については常に意識しながら、日常のインプットを行う必要があるでしょう。

この点については、思ったよりも皆できていないなというのが講師をやっている身として感じています(かくいう受験生時代の私もこの①②③を抑えたと思えるようになったのは予備試験に合格した年くらいでした。)。

たとえば、刑法の因果関係という超重要かつ基本論点について、個別指導で私が簡単な事例(例えば、マンションでAにボコボコにされたVが逃げて高速道路に進入して轢死した場合、Aの暴行とVの死との間に因果関係があるか、規範を定立して当てはめてみてくださいといった感じ。刑法を勉強してすぐに習う判例の1つですね。)を口頭で出題すると、危険の現実化説と相当因果関係説との違いをそもそも分かっていなかったり、行為の重要性や介在事情の異常性・寄与度といった考慮要素をすぐに答えられなかったり、具体的なあてはめがズレていたりと、どこかでボロが出る方がかなり多い印象です(短答試験には合格している強者受験生の中でもしっかり答えられるのは半分くらいでは?という印象。)。

これはあくまで1例ですが、要はこういった重要かつ基本論点についてでさえ、意外と皆抑えられていないのが現状なのです。
そのため、論文試験用のインプットについては、知識を自分の血肉にするつもりで、上記3点(理解、暗記、答案への反映)を意識することがとても大切になってきます。

もっとも、短答試験と比較すると、論文試験でインプットする必要のある知識の量自体は、ぐっと少なくなると思います。やみくもにストック(=知識の量)を増やす勉強は害悪でしかないので、インプットの方向性は間違えないよう、くれぐれも気を付けてくださいね。

予備試験の論文用に抑える基本事項としては、具体的には、予備校の講座でAランクと言われる事項や、旧司法試験及び予備試験の論文試験の過去問で出題された事項といった感じになるでしょうか。これに加えて百選レベルの判例を抑えられれば盤石ですが、予備校本にも判例は載っていますし、別途百選を読み込むかはまた別の話だと思います。

ただし、知識面は確かに重要ではあるものの、今回の作法の5つのうちの1つに過ぎません。
予備試験の論文試験で合格答案を書くには、(基本的な知識面をクリアした上で、)知識ではない部分の作法の習得が非常に重要です。論証や過去問の丸暗記で対応できるような試験ではないですから。

それでは、知識以外の部分の作法である、2つ目以降の作法について、以下で見ていきましょう。

合格答案の作法その2~正確かつ説得的な論理~

合格答案の作法2つ目は、答案に正確かつ説得的な論理を展開することです。予備試験の論文試験が法律に関する事例問題である以上、論理を軽視するわけにはいきません。
これは当然実務に出てからも重要です。論理がめちゃくちゃな弁護士のアドバイスなんて、誰も聞きたくないですしね(笑)

正確かつ説得的な論理展開といっても若干抽象的なので、論理面でチェックポイントとなる点を数点紹介しましょう。どれもセンスで決まるものではなく(まあセンスも多少はありますが)、ほとんどは日常の学習によって身に着けることができるものなので、是非おさえるようにしてください。

(1)論理的一貫性

論理的一貫性があることは合格答案の前提として、非常に大切です。論理的一貫性のある答案だから受かるということはないですが、合格答案の「当然の前提」のようなイメージで、論理的一貫性のない答案は間違いなく全く評価されません。
同じ科目の答案で、設問1と設問2で論理が矛盾したような答案を書く等、論理的一貫性のない答案は一発でF答案(=不合格答案)になりますので、普段の学習から、自分の書いた答案や答案構成が論理的に一貫しているかについては、意識してチェックするようにしましょう。

(2)結論の妥当性

答案を書いていて、論理的な一貫性がとれていても、この結論は微妙だな…という答案をよく見ます。予備試験の論文試験は事例問題なので、適切な結論にもっていくという意識は重要です。特に予備試験では、AとBという結論があり得るときに、問題分がAの方向に誘導しているケースは良くあります。そのようなケースで、誘導に乗らず無理やりBの結論に持っていくと、問題文の事情をうまく使えていない可能性が高いですし、筋が悪い答案とみなされてしまっても仕方ないでしょう。

そのため、「この事実からすれば、この結論になるべきだ」という感覚を、日常の勉強を積み重ねることで習得する必要があります。

(3)原則→修正の思考

予備試験の論文試験において、自分の書いている記述が、原則にあたる部分なのか、原則に対する修正(例外)にあたる部分なのかについては、強く意識しながら答案を作成する必要があります。特に民法や刑事訴方法等で顕著ですが、他のどの科目でもこの発想は共通しています。原則について触れず、いきなり例外から書き出している答案は、どうしても雑な印象がありますし、本番でも基本的には原則についても点数は振られるはずですので、基本的には原則から書く必要があるでしょう。

「条文や原理からすると原則はA、だけど例外的に今回はこういう趣旨からBになる」といったイメージで、原則からの丁寧な論述というのを心掛けることが重要であると考えます。

(4)正確性と説得性

作法その2自体のタイトルと重なりますが、合格答案を作成するには、論理が正確で、説得的である必要があります。正確かつ説得的な論文答案を作成できるようにするには、日ごろから解く問題1問1問について、合格答案や模範答案の論理を丁寧に追いながら、自分の答案との差分について、分析し復習していく必要があります。1日2日でできるようになるものではないですが、意識しながら勉強を続けていけば、皆確実に向上すると思います。あきらめずに日々論理的な面についても分析していきましょう。

以上が論理面です。(1)論理的一貫性、(2)結論の妥当性、(3)原則修正の思考、(4)正確性と説得性をクリアできれば、合格答案にかなり近づけるでしょう。

ただし、自分だけでこういった論理面をチェックするのはなかなか難しい面があるので、添削や個別指導等を利用して、合格者等の第三者に客観的に答案を見てもらうことが効果的考えます。

合格答案の作法その3~答案における作法(狭義)の徹底~

合格答案の作法3つ目は、作法(狭義)を徹底することです。今回の記事では合格答案の作法(広義)を5つ紹介しますが、この3つ目は、予備試験(及び司法試験)の論文試験特有の作法ということで、狭義の作法と位置付けています。いずれも超重要ですので、マスターするよう努めてください。

(1)答案のバランスと時間配分

作法(狭義)の1つ目は、答案のバランス、時間配分です。

たとえばある科目の問題で論点がABCDEと5個あったときに、そのすべてについて、均等の量、時間で論述することはナンセンスです。予備試験の論文試験では時間が70分、答案用紙が4ページと制約があるため、どれが重要か、どこに時間をかけるか、どのくらいの答案配分で書くのか、答案構成をしながら綿密に検討する必要があります。

たとえば、答案のバランスについては、このような感じメリハリをつけていくことになります。

  • 論点Aについてはそれほど重要でないから5行程度で書こう
  • 論点Bについては一番重要だから、きちんと3段論法を守って1ページ使おう
  • 論点Cと論点Dについては論点Bの次に重要だから、CとDあわせて1ページちょいくらい使おう
  • 論点Eは細かいし重要でないから、あえて書かずに省略しよう

答案を添削していると、このバランス感覚がイマイチであるものが散見されます。その原因はいろいろありますが、一番は「問題分の事実に寄り添っていない」という点が大きいと考えます。この点は後述の(2)や(3)とも関連しますが、問題文の事実を半ば無視して、「Aランク論点だからしっかり書こう」とか、「難しいから書かないでおこう」といったマインドで問題を解くのではなく、問題文の事実から、ここは短く書くべきなのか、逆にがっつり書くべきなのかを見極める必要があるのです。

時間配分についても同様で、科目内での時間配分、及び科目を超えた時間配分について適切に設定する必要があります。

前者の科目内の時間配分については、たとえば民法の問題で、設問1から設問3まであった場合、それぞれにどのくらいの時間をかけられるのかを問題文や設問文から短時間で見極め、答案を作成していく必要があります。

他方で、後者の科目を超えた時間配分については少し難易度があがります。
予備試験の論文試験の場合、民法で70分、商法で70分、民事訴訟法で70分というように時間配分が設定されているわけではなく、民事系なら民事系で民法・商法・民事訴訟法あわせて210分と設定されています。当然、年によっては民法が難しくなり逆に商法が簡単になるなど、難易度にばらつきがあります。そのため、どの科目に何分使うかといった判断も、現場でできるようになる必要があるのです。

このような判断をするためには、普段から、たとえば答練で1科目ずつではなく系統別にまとめて解いて時間配分の練習をしてみたり、模試を受けたりして練習することが有益です。この時間配分というバランス感覚は、本番なんとなくやってみるといったレベルではお話になりません。私は、実力は合格レベルであるにもかかわらず、この時間配分を間違えたために不合格となってしまった受験生を数多く見ています。

答案のバランス感覚についても、時間配分についても、本番ぶっつけといったスタンスでは合格はおぼつかないと考えます。時間が足りずに実質途中答案になるなんてことは最悪です。
あくまでも日ごろから答案のバランスや時間配分について鍛えておくことで、途中答案になるなんてことは起きなくなりますし、本番において100%の実力を発揮することができると思います。

(2)条文の丁寧な適示

作法(狭義)の2つ目は、条文を丁寧に適示することです。
答案を添削していると、条文の適示が雑なものによく出くわします。要件を書いているのに条文の適示がなかったり、論証の部分でしか条文が出てこなかったりと様々ですが、共通しているのは、条文を使った問題解決という意識が薄いのが原因ではないでしょうか。

(司法試験もそうですが、)予備試験の論文試験は、「条文に始まり、条文に終わる」試験といっても過言ではありません。あえて大げさに表現していますが、基本的にはすべての論点処理も条文解釈からスタートしています。要件や効果についても、条文を離れて出てくるものではありません。

条文第一の姿勢で、丁寧に条文を適示していくこと。これが合格答案には求められているのです。要件も効果も定義も、すべては条文を出発に論述するんだという意識を強め、普段の学習から条文を丁寧に適示する姿勢で論文対策をしていけば、かならず「丁寧な答案」が書けるようになると思っています。

ちなみに、私の受験生時代には、「条文命!」と書いた付箋をデスクの上に貼って毎日見ていました。だから何だ!と突っ込まれそうですが、条文の適示が雑だった私の答案も、意識しながら勉強することで徐々に良くなっていき、予備試験に合格した年には相当丁寧な答案を書ける実力をつけることができたと思っています(性格はおおざっぱですが)。

(3)法的三段論法

作法(狭義)の3つ目は、法的三段論法です。予備試験の論文試験対策をしている方でこの言葉を知らない人はほぼいないと思いますが、合格答案にあたり、法的三段論法を崩さずに書ききることは、本当に重要です。
法的三段論法というのは、ざっくりいうと規範を定立して事実を当該規範にあてはめ、結論を出すことです。似たようなことを書いているのに、一方はE答案、もう一方はA答案と評価され、その原因がこの法的三段論法をどれほど守れているかの違いによることはよくあります。

予備試験の論文試験における法的三段論法の各要素とそのポイントについては、以下の通りです。

ア 条文と問題の所在を示した問題提起

問題提起は厳密には三段論法には入りませんが、問題提起にあたっては、基本的に条文と問題の所在を示すことになります。つまり、何が、どこで(=条文)、なぜ(=問題の所在)問題となるのかを示すということですね。
問題の所在を丁寧に論述した答案は、読み手にとっても予測可能性を与えるもので、効果的です。

イ 趣旨や原理原則からの規範

法的三段論法において、まずは規範を定立する必要があります。規範定立にあたっては、趣旨や原理原則から論述することが基本となります。論点毎に論証の理由付けを暗記することは骨が折れますし、「知っている規範以外は書けない」状態にもなりかねず、応用問題に対応しにくくなる危険性があると思います。
他方で、趣旨や原理原則から規範を導く方針を確立させていれば、覚える苦労が減るだけではなく、「この趣旨からはこういう規範になるな」という思考方法はどんな問題でも共通して使えるため、未知の問題であっても同じように対応することが可能になるのです。
趣旨や原理原則から規範を導くスタンスを徹底しましょう!

ウ 事実(反対事実含む)を抽出・引用し、評価した、規範に合致したあてはめ

法的三段論法の次の要素としては、あてはめです。
あてはめなんて簡単だろと思っている受験生が多いようですが、問題文の事実を適切に抽出・引用して、評価して、規範に合致させている答案は多くはありません。自分に都合のいい一部の事実のみ使っている答案や、問題文の事実を書き写しているだけで評価が抜けている答案、自分の立てた規範とずれたあてはめをしている答案は想像以上に多いです。
事実をもれなく使えたか、しっかりと評価することができたか、自分の規範と合致させているかについては、問題演習の度にチェックするべきと考えます。

上級者レベルの受験生であっても、油断するとあてはめの微妙な答案が出来上がってしまうので、日ごろの勉強からこの点については意識しておく必要があります。

エ 問題提起に合致した、妥当な結論

法的三段論法の最後の要素としては、結論です。結論については、問題提起に合致しているかどうか、結論は妥当かどうかを意識して論述する必要があります。

法的三段論法については、実際の答案を示して解説することができないため、若干抽象的なまとめ方になってしまいましたが、上記のア~エを守れているか、日々の勉強で常に意識すると良いでしょう。

なお、答案のバランスや時間配分との関係で、1つ1つの論点について、どの程度法的三段論法でしっかり書くのかは変わってきますので、この点は注意してください。場合によっては、三段論法をあえて守らずさらっと書くべき場合もでてきますので。
しかし、論文試験の合格答案の大原則は、やはりこの法的三段論法になるでしょう。

合格答案の作法その4~個別・具体的な問題分析~

合格答案の作法その4は、個別・具体的な問題分析をすることです。これについても若干抽象的なので、以下の2点について分けて説明します。

(1)事実を置き去りにしない

個別具体的な問題分析としてまず重要な点は、事実を置き去りにしないということです。これは作法その3でも述べましたが、問題文の事実は置き去りにせず、必ずどこかでは使うことが求められています(司法試験では使わない事実もありますが、少なくとも予備試験においては使わない事実は基本的にはありません。)。
問題文の事実のうち、使いやすい事実や、自分の結論に有利な事実だけを使うのでは、その他の事実が置き去りにされてしまいます。こういった、使いにくい事実や自分の結論に不利な事実というのは他の受験生にとっても「やっかいな事実」であり、置き去りにされがちですが、この事実をどう使うか、どのように答案に反映するかを試験委員は見ているのであり、これらの事実をうまく使えれば、大変高い評価を受けることができますし、多少うまく使えなくても、事実を置き去りにはせず一応自分なりに答案で使えていれば、正直B評価くらいはとることができると思います。

問題文の事実は試験委員が残した「誘導」であり、これらの事実をフルに使って答案を書くことができれば、出題趣旨に合致した答案を書くことができます。

この点は非常に重要なので、普段から自分の解いた問題の事実を置き去りにしていないか、使いやすい事実のみを使うといった合格答案にあるまじき行為をしていなかったか、分析する姿勢を持つと良いと考えます。

(2)本問に即した、具体的な検討(自分の知識に問題を合わせるのではなく、問題解決に必要な限度で知識を利用する)

個別具体的な問題分析の次のポイントは、本問に即して具体的に検討するということです。

講師として何通もの答案を見ていると、とある問題があったときに、その問題を解いているというより、「論点について自分の知識をひけらかしているだけ」のように思える答案が正直少なくないです。

同じ論点であっても、問題によっては分量を短くしたり、場合によっては一言書くだけといったようなケースもあります。にもかかわらず、「前に似たような問題を解いたから」「この論点は予備校がAランクと言っていたから」といった理由で大展開してしまい、他の事項について書けなくなり不合格答案になってしまうようなことは、目の前の問題に真摯に向き合えていないということに他ならず、評価はかなり悪くなってしまいますので、絶対にあってはならないことです。
このような「ひけらかし答案」は、自分のストックを吐き出しているだけで、当該問題について向き合うことをしていないため、出題趣旨に沿った答案ではないことは明らかでしょう。
このような失敗をすることがないよう、徹底的に問題文と向き合い、自分の知識は当該問題に必要な限度に絞って使うことを意識して、1問1問解いていくことがとても重要と考えます。

合格答案の作法その5~最後の1秒まで、1点でも多く取りにいく姿勢~

合格答案の作法の5つ目は、最後の1秒まで1点でも多く取りに行く姿勢を持つことです。

予備試験の論文試験は難易度も高く、答案作成の途中で妥協してしまいたくなる時があるかもしれません。
しかし、それはどの受験生にとっても同じです。論文試験に向けて必死に対策してきたあなたにとってよくわからないなと思う問題は、他の受験生も同じようによくわからんと思っているのです。

そのような中、「あきらめずに1点でも多く取ろう」といった姿勢で1つでも多くの条文を適示し、1つでも多くの評価をする等して最後まで書ききることは、合否を分けるターニングポイントになる可能性もあります。

予備試験の論文試験は相対評価である以上、皆よりも「少し頑張る」だけで、高評価を得られる可能性は十分にあります。D答案を最後の粘りでC答案にもっていくこともあり得るでしょう。これは精神論ではなく、あくまで「合格答案の作法」の1つとして、最後の最後まで点数を取りに行く姿勢を普段の学習から身に着けていくことがとても大切であると考えます。

おわりに

合格答案の作法について述べましたが、いかがだったでしょうか。
常日頃から以下の作法を意識して勉強することで、確実に予備試験の論文対策の成果は出ると思いますし、この作法を身に着けることができれば、正直予備試験の論文試験についてはほぼ高確率で合格できると思います。
私も予備試験に合格した年は、この作法を盤石に身に着けることができたため、正直落ちる気は全くしませんでした。もちろんこの作法は付焼刃的な暗記等で身に着くものではありませんが、逆にいえば、一度この作法を身に着けてしまえば、その先は忘れたりすることはなく、自分の血肉としてずっと武器になるものです。
私は、弁護士になってからも、予備試験受験時代に取得したこの作法が本当に役にたっていると日々感じていますよ!

しかし、怖い話ですが、この作法を身に着けることができなければ、論文試験の合格までに5年、10年と相当長期間を要してしまう可能性もあります。そのため、予備試験や旧司法試験の過去問等を繰り返し解いていきながら、答練等で新しい問題を解いて作法を実践できているか確認する作業を日々行っていく必要があります。
「質の高い個別指導」はこの骨太な作法を身に着けるために間違いなくベストな選択肢ですので、論文試験に確実に合格したいと思う方は、個別指導塾LegalGateの門をたたいてみてくださいね!

作法の項目が多かったので、再度まとめておきます。

合格答案の作法まとめ

  1. 基本的事項の正確な理解・暗記と答案への反映
  2. 正確かつ説得的な論理
    (1) 論理的一貫性
    (2) 結論の妥当性
    (3) 原則→修正
    (4) 正確性と説得性
  3. 作法(狭義)の徹底
    (1) 答案のバランスと時間配分
    (2)条文の丁寧な引用
    (3)法的3段論法
    ア  条文と問題の所在を示した問題提起
    イ 趣旨からの規範
    ウ 事実(反対事実含む)を抽出・引用し、評価した、規範に合致したあてはめ
    エ 問題提起に合致した、妥当な結論
  4. 個別・具体的な問題分析
    (1)事実を置き去りにしない
    (2)本問に即した、具体的な検討(自分の知識に問題を合わせるのではなく、問題解決に必要な限度で知識を利用する。)
  5. 最後の1秒まで、決して諦めない
    (1) 相対評価の意識
    (2)「以上」を書くまで、1点でも多く取りにいく姿勢

予備試験にチャレンジしている皆様がこの骨太な作法を身に着け、論文試験に合格されることを祈っています!

2021年8月 夕日の差し込む都心のビルにて 福田尚史